ベニテング物語
一番最初に作ったベニテングランプ。2012年作品。
ベニテングは、私の中で強烈なストーリーがある。
ワーキングホリデーでニュージーランドを旅していた2009年。車で寝泊りしながらいろんなところに行ったのだが、オアマルという街でのお話。
倉庫のような建物が立ち並ぶお洒落な街並み。どこか異次元の不思議な空間に迷い込んできたかのような、入り込んでいいのかどうなのか、魅惑的な世界。
そしてGRAINSTORE gallery というギャラリーに魅了される。
20代の私にとってはドキドキするような、どこを切りとっても絵になるような不思議な世界が広がっていた。そんな中、ふと足元に目を向ければ、真っ赤なきのこを台に猫がふんぞりかえっているではないですか!
すごいな、すごい物語の世界!!
そして、そしてです。次の日、真っ直ぐ続くのどかな道を運転していた。とはいえ、ニュージーランドの法定速度は100kmなので、結構なスピードで。そしたら路肩に何か赤いものがあったような、、?と気になった。コンクリートの道、そして路肩と言っても土に草。とりあえず戻ってみる。そしたら。昨日見たような赤いきのこが目の前に!!
実はベニテングというきのこが本当にあるってことを知らなかったので、物語の中のきのこだと思っていた。だから実際に見てものすごくインパクトがあった。
それから日本に帰ってきて師匠と出会って弟子入りして。灯りを教えていただくようになってから、これはベニテングが作れそうだとあれこれ試行錯誤して、最初の写真のランプに至ったわけです。
いくつもきのこランプを作ってきましたが、今回は台をスタイリッシュに仕上げてみました。
代官山のギャラリーARTS RUSH『きのこ展』。10月12日まで開催中です。